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- 「頑張ってコミュニティ運営しているのに、なかなか活性化しない…」
- 「メンバーが増えても、貢献してくれる人が少ない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
それはもしかしたら、「チーム」と「コミュニティ」の違いを理解していないことが原因かもしれません。
本記事では、Webサービス開発やコミュニティ運営に豊富な経験を持つけんすうさん(@kensuu)が、「チーム」と「コミュニティ」の違いを分かりやすく解説したものを要点だけまとめました。Web3時代の到来によって生まれた「新しいコミュニティの形」についても言及しています。
「コミュニティを活性化させたい!
「メンバーに貢献してもらえる仕組みを作りたい!」
そう思っている方は、ぜひ最後までご覧ください!
※今回の記事は、だいすきなPodcast「ハイパー起業ラジオ」で配信された「#4-3 目的で繋がるチームと理念で繋がるコミュニティ!この違いで全く別の組織が出来上がる!」の内容を基に、チームとコミュニティの違いについて解説していきます。
内容をざっくりでも理解したいひとや、本編を聞くまえに要点をつかんでおきたいひとは必読の内容です!
目次
チームとコミュニティ:定義と違いを明確に
まず、大前提として、チームもコミュニティも、人が集まる「場」であることに変わりはありません。違いは、「何のために」人が集まっているのかという点にあります。
チーム | コミュニティ | |
---|---|---|
集まる何か | 共通の目的達成 | 共感できるビジョン・価値観 |
志向 | 外向きの成果 | 内向きの関係性 |
価値観 | 達成、貢献 | 居心地、共感 |
役割 | 分担と責任、貢献 | 自由参加 |
評価 | 成果に基づく | 関係性に基づく |
持続性 | 目標達成または達成困難時など、期限がある場合が多い | 人間関係に問題がない限り、半永久的に続く場合が多い |
ここで一つ注意なのは、「チーム」は「コミュニティ」の一種であるということです。目的を持ったコミュニティも存在します。が、ここでは敢えて「チーム」と「コミュニティ」を区別することで、このあとのトークンエコノミーの話をわかりやすくする意図があります。「ふーん、そんな違いがあるんだ」ぐらいの理解で大丈夫です。
目的達成を重視する「チーム」
チームは、共通の「目的」を達成するために集まった集団です。その特徴は以下の点が挙げられます。
- 明確なミッション・目標設定: チームは、達成すべきミッションや目標が明確に設定されています
- 活動重視: ミッション・目標達成のために、具体的な活動に重きを置きます
- 役割分担と貢献: メンバーそれぞれに役割が与えられ、その役割を果たすことでチームに貢献することが求められます
- 外向き志向: チームは、社会や顧客など、外部に対して価値を提供することに重点を置きます
- 成果に基づく評価: チームの評価は、設定した目標をどれだけ達成できたかという成果によって判断されます
- 目標達成または困難時における解散: チームは、設定した目標を達成した場合、または目標達成が困難になった場合に解散することがあります
共感と関係性を重視する「コミュニティ」
一方、コミュニティは、共通のビジョン、価値観、理念に共感した人々が集まった集団です。その特徴は以下の点が挙げられます。
- ビジョン・価値観の共有: コミュニティは、共通のビジョン、価値観、理念を共有しています
- 状態重視: コミュニティは、メンバーがその場に「いる」こと自体に価値を置きます
- 貢献は必須ではない: 特に貢献しなくても、コミュニティに所属することは可能です
- 内向き志向: コミュニティは、内部のメンバー間の関係性を重視します
- 関係性に基づく評価: コミュニティの評価は、メンバー間の良好な関係性が築けているかどうかに重点が置かれます
- 人間関係の問題発生時における解散: コミュニティは、人間関係に修復不可能な問題が発生した場合に解散することがあります
チームとコミュニティ:分かりやすい例え
チームとコミュニティの違いを分かりやすく表すと、
- チームは「やりがい」重視
- コミュニティは「居心地」重視
という言い方ができます。
チームは、新しいことに挑戦し、成果を上げる「やりがい」を重視するのに対し、コミュニティは、メンバー同士が心地よく過ごせる「居心地」を重視すると言えるでしょう。
インターネットにおけるチームとコミュニティ:過去の課題とWeb3時代の到来
従来のインターネット上では、「コミュニティ」型の組織が多く存在していました。これは、成果に対して適切なインセンティブを提供することが難しかったためです。例えば、オンラインコミュニティで金銭的な報酬を発生させる場合、投稿数や「いいね」数などの指標に依存せざるを得ませんでした。
そうすると、
- 報酬を受ける側は、「いかにうまく報酬をゲットするか」をハックし、できるだけ無駄を省いたり、注意だけを引くような力学がはたらく
- 報酬を渡す側は、サービスを持続するためにも、コミュニティ型組織に落ちつく
つまり、Web2.0時代のコミュニティは、居心地の良さを追求することで発展せざるを得なかったのです。(例:Wikipedia、2ちゃんねる、ニコニコ動画)
そこには、プラットフォームだけが利益を得る構造的問題も孕んでいました。
しかし、Web3時代の到来とともに、ブロックチェーン技術を活用した「トークン」が登場したことで、状況は大きく変わろうとしています。トークンは、従来のポイントのように、報酬として付与できるだけでなく、プロジェクトへの貢献度に応じて価値が変動する「株式」のような役割も果たします。
トークンを導入することで、コミュニティ運営は以下のようなメリットを得られます。
- 貢献へのインセンティブ設計: 貢献度に応じてトークンがもらえるため、メンバーのモチベーションアップに繋がる。
- コミュニティ全体の価値向上: 貢献意欲の高いメンバーが増えることで、コミュニティ全体の価値向上に繋がる。
- 持続的な運営体制: トークンによる収益化が可能になるため、コミュニティの持続的な運営体制が構築できる。
つまり、「チーム」という組織形態を活用することで、トークンエコノミーの効果を最大限に発揮できる ようになるのです。
従来は難しかった「チーム」型のコミュニティが形成されやすくなり、より大きな目標を達成できる可能性を秘めているのですね。
まとめ:これからのインターネット組織に求められるもの
今回は「チーム」と「コミュニティ」のちがいを整理しました。
従来のインターネットコミュニティは、「居心地」の良さを追求することで発展してきました。しかし、Web3時代の到来により、トークンを活用した「チーム」型コミュニティの形成が現実的になりつつあります。
これからのインターネット組織には、「やりがい」と「居心地」の両方を兼ね備えた、新しい形が求められると言えるでしょう。
Podcastではより具体的な話が聞けたり、尾原さんとけんすうさんの掛け合いを楽しめます!ぜひ本編もお聞きください!
最後に、この記事のテーマソング「明日の光」でお別れです!
[Intro Instrumental]
[Verse 1]
何のために集まる チームとコミュニティ
目標へと向かう 心一つにして
共感とやりがい 重ねる日々の中
輝く未来へと 歩みを進める
[Chorus 1]
明日の光を 共に見つけよう
手を取り合って 高め合う仲間と
やりがいと居心地 それぞれの場所で
未来を描こう 明るい希望の中で
[Inter Guitar solo]
[Verse 2]
ビジョンと価値観 共有する場所で
自由に参加して 繋がる絆
成果を重視する チームの熱意
関係性の中で 育む絆
[Bridge]
Web3の時代が 新しい風を運ぶ
トークンが繋ぐ 未来への道標
(未来への道標)
[Chorus 2]
明日の光を 共に見つけよう
手を取り合って 高め合う仲間と
やりがいと居心地 それぞれの場所で
未来を描こう 明るい希望の中で
[Ending Instrumental]